咲き舞う華は刻に散る
「強い女だよ、お前は…」
土方は美桜里の唇に滲む血を優しく拭ってやった。
すると、島田が部屋に飛び込んで来た。
「副長!」
「何かあったのか?」
「い、井上組長が戦死、山崎さんが瀕死の重傷を負いました!」
「何だと!?」
源さんが戦死…、山崎が瀕死の重傷だと…?
土方の瞳が揺らいだ。
「それだけではありません!慶喜公が会津公を伴われ、江戸に向かわれました」
慶喜公が?
家来が戦ってる中、大将が真っ先に尻尾巻いて逃げ出したのか…?
くそったれが…っ。
土方は悔しさが募り、血が滲む程拳を握り締めた。
「副長…?」
すると、そんな彼に島田が躊躇いながら声をかけた。