咲き舞う華は刻に散る


「不細工はねぇだろ…。あのな、美桜里。お前は手か――」



土方は言いたかった文句を途中で言うのを止めた。



彼女の過去を思い出したからだ。



美桜里は家族を失って、女としてすべてを学ぶ時期に地下牢に監禁されていた。



だから、塩加減を知らなくても無理もない。



しかし、しょっぱいものはしょっぱい。



土方はお握りの隣に置いてあった茶を飲んだ。



「ふぅ…」



「どうだ?私の作ったお握りは?」



そこを突っ込んで来るのか、お前は…。







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