咲き舞う華は刻に散る
まずくはないということは褒めてくれてるのか?
美桜里は顎に手を当て、彼から言われた言葉を考えていた。
いつも何だかんだ行ってくる土方が褒めてくれてる。
美桜里はそれが嬉しくて、自然と笑みが零れた。
「ん?」
しかし、残りのお握りを食べてる土方の顔が険しい。
しかも、頻繁に茶を飲んでる。
そんな彼に違和感を抱いた美桜里は彼に尋ねた。
「なぁ、土方?」
「何だよ」
「もしかして、そのお握り――」
すると、美桜里の言葉に被せるように廊下から騒がしい足音がした。