咲き舞う華は刻に散る


美桜里は白湯をお盆に乗せると、部屋に戻った。



「総司、白湯持って――」



部屋に入ってすぐ彼女の瞳は見開かれた。



そして、手からお盆が滑り落ち、湯呑みが割れた。



「そ…う、じ…?」



美桜里は布団に眠る彼に駆け寄った。



見る限り、ただ眠ってるようにしか見えない。



息をしていないということを除いては――。






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