咲き舞う華は刻に散る
美桜里は放り出された沖田の手を見た。
そこには薄紅色の花びらがある。
「総司…」
美桜里はその手を両手で包むと、彼の顔に視線を移した。
死んでいるとは思えない程安らかで、その顔には淡い笑みがたたえられている。
「やっと近藤さんに会えるね…」
あっちの世界で近藤さんに会った総司は驚いてるだろうな。
美桜里はそんな光景を思い浮かべ、笑みがこぼれた。
すると、まだ温もりの残る彼の手に雫が落ちた。
目の前が涙で滲み出す。
美桜里はさっき沖田がしてくれたように額に口付けた。
「おやすみ、総司」