咲き舞う華は刻に散る
屋敷の中を歩いていると、見知らぬ男に会った。
「「誰?」」
美桜里と目の前にいる男の声が重なった。
「藍色の髪に緋い瞳…。もしかして、川綵美桜里さん?」
「何故、私の名を…」
すると、目の前にいる男は目をキラキラと光らせた。
「うわぁ、初めまして!本当に綺麗な子だね!あ、もしかして、土方君を探してる?」
「え、まぁ…」
「やっぱり!土方くーん!君にお客さんだよ!」
男は声を張り上げ、土方を呼んでくれた。
呼んでくれるのは有り難いが、声が大きいため、耳障りに感じた。
美桜里は怪訝そうに彼を見上げた。