咲き舞う華は刻に散る
美桜里は藩士に礼を言うと、門を潜り、会津公の所に向かった。
「良く来たな、美桜里。疲れてはいないか?」
「平気ですよ。私よりも貴方様の方が疲れているように見えます」
美桜里の前に座る会津公の目の下には隈が出来ている。
会津は今、旧幕府軍と官軍の戦場と化している。
おそらく、戦続きであまり寝ていないのだろう。
かと言って、藩主である会津公が倒れてしまっては意味がない。
しかし、美桜里は会津公が言うことが検討がついていた。
「いや、藩士達が戦っているというのに余が休む訳には行かぬからな」
「そうですか…」
やはり、そう言うと思った。
会津公は仲間思いでとても優しいお方だ。
それでも、たまには自分の身体も労って欲しいと美桜里は思っていた。
美桜里は心配にそうな瞳を会津公に向けた。