咲き舞う華は刻に散る
「何故…、あんたらが…」
美桜里は目の前にいる者達に動揺を隠せない。
「お祖母様…、小夜…」
そこにいたのは、美桜里の従姉妹にあたる小夜と母方の祖母、聡(サト)だった。
確かに私はあの時、致命傷を負わせたはず…。
なのに、何故…?
美桜里は動揺が隠し切れていない眼差しを二人に向けた。
「その忌まわしい緋い瞳で私を見ないでくださる?汚らわしい」
「小夜、止めなさい」
小夜は口元を袖で押さえると、美桜里に軽蔑の眼差しを向けて来た。
容姿は女らしくなり、綺麗になった小夜だが、性格はあの時と変わっていないらしい。
小夜の隣にいた聡が彼女を宥める。