咲き舞う華は刻に散る
4.
翌日。
美桜里は城で城内の警護にあたっていた。
情報によれば、戦況はあまり芳しくないらしい。
ほとんどの城は落とされ、今にも官軍が会津城下に入ってもおかしくない状態だ。
しかし、会津城下に入るには母成峠がある。
そこさえ突破されなければ、官軍の進入は免れる。
「頼む…、守りきってくれ…」
美桜里はそう願いながら、兵士達と警護していた。
「で、伝令!」
すると、一人の兵士が血相をかいて城に飛び込んで来た。
「ぼ、母成峠が突破されました!」
「!?」
城内に動揺が走る。