咲き舞う華は刻に散る
「分かってるよ。こっちの片が付き次第、仙台に向かう」
「…ああ」
「何だ、その気弱な返事は?この私が信用出来ないのか?」
美桜里が疑うような眼差しを向けると、土方はバツが悪そうに視線をそらした。
「…信用されてないみたいだな。土方、手を出せ」
美桜里は小さく息を吐くと、彼に手を出すように言う。
土方は疑問符を浮かべながらも、彼女の方に手を出した。
美桜里はそんな彼の小指に自分のそれを絡めた。
「指切り?」
「約束だ。私は必ず生きて、土方の元に帰る」
すると、骨張った土方の小指が美桜里の指に絡み付く。
自分から指切りするために小指を絡めたのに、土方からされると胸が高鳴った。
何なんだよ、これは…。
美桜里は高鳴る胸に手を当て、気持ちを落ち着かせる。