咲き舞う華は刻に散る
「陽真、お前は――」
「うるさい!黙れッッッ!!!!!!」
陽真は頬に触れていた美桜里の手を払うと、持っていた刀を振り上げ、彼女に向けて振り下ろした。
しかし、それは美桜里の顔スレスレに刺さった。
「陽真、お前は悪くない」
彼は弱い部分につけ込まれただけだ。
美桜里もそれに気付くのが遅かった。
すると、彼の右目から涙が零れ落ちた。
「ごめんな、陽真」
再び頬に触れると、陽真は刀から手を離した。
美桜里は彼を抱き寄せた。
陽真も彼女の身体に手を回して来た。
「ごめ…、ごめん…、ごめんな…、美桜里…」
嗚咽混じりに彼は美桜里に謝って来る。
美桜里はそれに答えるように、陽真の背中を撫でた。
それからしばらく彼は泣いていた。