咲き舞う華は刻に散る
第七章:《撫子》

1.



仙台に着いた美桜里は土方の所に向かっていた。



しかし――。



「土方は何処にいるんだ…?」



美桜里は土方の居場所が分からず、途方に暮れていた。



「こうなるんだったら、最初に聞いて置くんだった…」



自分の計画性のなさに美桜里はうなだれた。



「あれ?もしかして、君は川綵さん?」



ふと誰かに声をかけられた。



顔を上げてみると、そこには会津で見かけた男がいた。



「ああ!やっぱり!」



「あんたは確か、大鳥さん…?」



「そうだよ。どうしたんだい、こんな所で」



美桜里は大鳥に土方の居場所が分からず、途方に暮れていたことを話した。



「あっははは、それは大変だね。よし、私が土方君の所に連れて行ってあげるよ」



「あ、ありがとうございます!」



美桜里は彼に連れられ、土方のいる屋敷に向かった。






< 545 / 615 >

この作品をシェア

pagetop