咲き舞う華は刻に散る
第七章:《撫子》
1.
仙台に着いた美桜里は土方の所に向かっていた。
しかし――。
「土方は何処にいるんだ…?」
美桜里は土方の居場所が分からず、途方に暮れていた。
「こうなるんだったら、最初に聞いて置くんだった…」
自分の計画性のなさに美桜里はうなだれた。
「あれ?もしかして、君は川綵さん?」
ふと誰かに声をかけられた。
顔を上げてみると、そこには会津で見かけた男がいた。
「ああ!やっぱり!」
「あんたは確か、大鳥さん…?」
「そうだよ。どうしたんだい、こんな所で」
美桜里は大鳥に土方の居場所が分からず、途方に暮れていたことを話した。
「あっははは、それは大変だね。よし、私が土方君の所に連れて行ってあげるよ」
「あ、ありがとうございます!」
美桜里は彼に連れられ、土方のいる屋敷に向かった。