咲き舞う華は刻に散る
ふと彼の背中が陽炎のように揺らいだ。
美桜里はとっさに彼の服を掴んだ。
「何だ?」
「な、何でもない…」
美桜里は土方に睨まれ、慌てて服を離した。
彼は怪訝そうに美桜里を見ると、屋敷の中に消えた。
「何だったんだ、今の陽炎みたいな揺らぎは…」
美桜里は額に手を当てた。
さっきの土方の纏う雰囲気…。
以前、違和感を感じた時と同じだ。
それは沖田が死んで、彼女が新選組に復帰した時――。