咲き舞う華は刻に散る

3.



それからしばらくした頃。



新政府軍が蝦夷に上陸した。



箱館への進入を防ぐため、旧幕府軍は松前口て二股口に隊を配属した。



松前口に大鳥隊、二股口に土方隊が置かれた。



美桜里は土方と共に二股口で兵士達の激励に来ていた。



「お前ら、気張ってくれよ!これは俺からの差し入れだ」



そう言って、土方は酒樽を兵士達に見せた。



酒樽を見た兵士達は歓声を上げる。



「酒と言っても、一杯しか呑ませらんねぇ。だが、戦が終われば、浴びる程呑ませてやる」



土方は一人一人の盃に酒を注いでいく。



兵士達に向けている土方の眼差しは柔らかく、兵士達も彼を信頼しているようだった。



そんな彼らを見ていると、美桜里も自然と笑顔になった。







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