咲き舞う華は刻に散る
「んで、お前は?」
「あ?」
「名前だ、名前」
部屋に居る者達が全員自己紹介した今、流れ的に美桜里も自己紹介をしなくてはならなくなった。
「…川綵美桜里」
美桜里は面倒臭さがりながらも、名乗った。
「美桜里さんか。漢字はどう書くんだい?」
「美しい桜の里…」
何故、漢字を聞く必要があるのかと不思議に思いながらも、美桜里は近藤の問いに答えた。
「良い名だな」
近藤は優しそうな笑みを美桜里に向けて来る。
良い名前だと褒められた事に美桜里は顔をしかめた。