咲き舞う華は刻に散る


「ひ…じ…か、た…?」



無意識に声が震える。



「土方…?目を開けてよ、土方…っ!」



美桜里は何度も彼を呼んだ。



しかし、返事が帰って来ることはなかった。



「川綵さん…、土方さんは…」



兵士の一人が美桜里の肩を叩いた。



死んだって言いたいのか…?



認めない…、認めたくない。



でも、私が呼んでも、返事もないし、動くこともない。



やっぱり、土方は――。






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