咲き舞う華は刻に散る
藍色の髪に緋い瞳…。
今まで指摘されなかったから、上手くやり過ごせると思っていたが、世の中はそう甘くない。
もちろん、美桜里は自分が鬼と人間の混血だという事を話す気は毛頭ない。
「生れつきだ。言っておくが、異人ではない」
美桜里は異人と突っ込まれる前に自分から言った。
さっき、憐れみの眼差しを向けて来た仕返しのつもりだろう。
しかし、仕返しにしては小さい気がするが、言った本人は満足そうにしていた。