咲き舞う華は刻に散る
「やっぱり、傷は治ってないか…」
傷が治るがやはり遅い。
あれだけ長い時間気を失っていたというのに、傷は半分も治っていなかった。
美桜里は脇腹の傷を庇いながら、どうにか門の所まで来ると、塀の上に飛び乗る。
門から外に出る方法も考えたが、見張りが居ると厄介だと踏んだ美桜里は塀から逃げる事を選んだ。
「人影は無し…」
辺りに人影が無い事を確認すると、塀から飛び降りた。
こういう傷はちょっとの振動でも痛みが走る。
なるべく傷に響かないように慎重に着地したが…。