咲き舞う華は刻に散る


美桜里は脇腹を庇いながら、ゆっくりと身体を起こし、小さく息を吐いた。



「うっ…」



突然、猛烈な吐き気が彼女を襲った。



おそらく、あの弾丸には特殊な毒が塗られていて、その毒が今になって効いてきたようだ。



美桜里は口を押さえ、今にも出て来そうな胃の内容物を喉の奥で押し止める。



その瞬間、障子が蹴破られ、彼女に向けて刀が振り下ろされた。



美桜里は咄嗟に刀を掴むと、鞘でそれを受け止め、その反動を使い、後ろに飛んだ。





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