咲き舞う華は刻に散る


「部屋の場所が分からん…」



美桜里がポツリと呟くと、室内から呆れたような溜息が聞こえた。



「分からねぇのに出て行こうとするなよ…。斎藤、案内してやってくれ。布団は自由に使え」



土方は頭を抱えながら、斎藤に美桜里の案内役を命じた。



美桜里は斎藤に連れられ、土方の部屋に移動した。



「待っていろ、今布団を敷く」



「いや、自分でやる」



「そんな身体でか?俺が見る限り、立っているのもやっとみたいだが…?」



「うっ…」



斎藤の鋭い突っ込みに美桜里は口をつぐんだ。



現に彼女は立っているのが辛く、襖に寄り掛かるように立っている。





< 83 / 615 >

この作品をシェア

pagetop