咲き舞う華は刻に散る
「部屋の場所が分からん…」
美桜里がポツリと呟くと、室内から呆れたような溜息が聞こえた。
「分からねぇのに出て行こうとするなよ…。斎藤、案内してやってくれ。布団は自由に使え」
土方は頭を抱えながら、斎藤に美桜里の案内役を命じた。
美桜里は斎藤に連れられ、土方の部屋に移動した。
「待っていろ、今布団を敷く」
「いや、自分でやる」
「そんな身体でか?俺が見る限り、立っているのもやっとみたいだが…?」
「うっ…」
斎藤の鋭い突っ込みに美桜里は口をつぐんだ。
現に彼女は立っているのが辛く、襖に寄り掛かるように立っている。