咲き舞う華は刻に散る


「図星か…」



美桜里は満足げに笑う彼を睨みつける。



それを肯定と受け取った斎藤はせっせと布団を敷いた。



人間に考えを読まれるのは気に食わないが、今は反論する元気もない。



美桜里は斎藤が布団を敷き終わるのをじっと待っていた。



「よし、布団が敷けたぞ。横になると良い」



斎藤は敷き終わると、美桜里に寝るように促した。



シワ一つなく、完璧に敷かれた布団。



美桜里は枕元に荷物を置くと、それにシワを作るようにワザと荒々しく横になった。






< 84 / 615 >

この作品をシェア

pagetop