彼女の残したもの・・・
第11章 心の旅へ
第12章 旅の終わり・・・
シンゴ、また見つけてくれたね。
シンゴなら、見つけてくれると思った。
あの晩、シンゴに会えたのには驚いた、けれど凄く嬉しかったよ。
大好きなシンゴに抱かれて、本当に幸せでした。
シンゴは、嫌かも知れないけれど、私の人生で、ただ一度だけの恋でした。
シンゴ、大、大、大、大好き。
ユウやブーちゃんも大好き。
てっちゃんも大好き。
母さんも。
さようなら、隊長。
泣いたら、ぶっとばすよ。
見つけてくれて、本当にありがとう。
藤川綾乃
・・・涙で文字が滲んでいた。
僕は哲二から聞いたあやのの墓に向かった。
墓石もまだ無く、木の墓標だけの小さな墓だった。
納骨されて幾日も経っていないので、供えられた花も、線香の燃えさしも生々しかった。
丘の上に立つ墓から、海が見えた。
遠くからオルガンの音と子供たちの歌声が聴こえている。
僕にとってもあやのは、初恋の相手であり、もしかしたら、今までの人生で唯一の恋人だったのかも知れない。
僕は子供の頃のように一気に丘を駆け下りた。
(了)
シンゴ、また見つけてくれたね。
シンゴなら、見つけてくれると思った。
あの晩、シンゴに会えたのには驚いた、けれど凄く嬉しかったよ。
大好きなシンゴに抱かれて、本当に幸せでした。
シンゴは、嫌かも知れないけれど、私の人生で、ただ一度だけの恋でした。
シンゴ、大、大、大、大好き。
ユウやブーちゃんも大好き。
てっちゃんも大好き。
母さんも。
さようなら、隊長。
泣いたら、ぶっとばすよ。
見つけてくれて、本当にありがとう。
藤川綾乃
・・・涙で文字が滲んでいた。
僕は哲二から聞いたあやのの墓に向かった。
墓石もまだ無く、木の墓標だけの小さな墓だった。
納骨されて幾日も経っていないので、供えられた花も、線香の燃えさしも生々しかった。
丘の上に立つ墓から、海が見えた。
遠くからオルガンの音と子供たちの歌声が聴こえている。
僕にとってもあやのは、初恋の相手であり、もしかしたら、今までの人生で唯一の恋人だったのかも知れない。
僕は子供の頃のように一気に丘を駆け下りた。
(了)