彼女の残したもの・・・
第3章 正義の味方
第3章 正義の味方
僕らは、ゆうきちさとを「女ゴリラ」と呼んでいた。
その日、僕らの前を歩いていた女ゴリラを見つけて、僕は攻撃を決意した。
後ろからそっと近寄って、おもいっきりランドセルを引っ張った。
ランドセルは口を開き、中から教科書や筆箱やらがバラバラと道にばら撒かれた。
「やーい!やーい!女ゴリラ〜」
ゆうきちさとは、僕らをキッと一瞥すると黙って荷物を拾い集め始めた。
その態度に頭にきたユウが、ランドセルを引っ張ってゆうきちさとに尻モチをつかせた。
ゆうきちさとは、起き上がるとまた黙々と荷物を拾い集めていたが、彼女は泣いていた。
そこに突然現れたのが、同じクラスのふじかわあやのだった。
「お前らぶっとばす!」
竹の棒で散々ぱら叩かれ、僕らの被害は甚大だった。
ブーちゃんは大切にしていたバルサの飛行機が粉々に壊されてしまった。
ユウはセルロイドの色めがね付きの巨人軍の帽子がくしゃくしゃになってしまった。
僕は、物的被害こそないが、頭にふたつ大きなたんこぶが出来て“女に泣かされた”という不名誉なレッテルを一生背負うこととなった。
おまけに、ゆうきちさとに三人で土下座して謝ってるところをクラスの女子に見られ、まるで水戸黄門のいんろうを見せられた悪代官のようだったと卒業まで言われ続けた。
それ以来、ふじかわあやのは、僕らの隊長になった。
僕らは、ゆうきちさとを「女ゴリラ」と呼んでいた。
その日、僕らの前を歩いていた女ゴリラを見つけて、僕は攻撃を決意した。
後ろからそっと近寄って、おもいっきりランドセルを引っ張った。
ランドセルは口を開き、中から教科書や筆箱やらがバラバラと道にばら撒かれた。
「やーい!やーい!女ゴリラ〜」
ゆうきちさとは、僕らをキッと一瞥すると黙って荷物を拾い集め始めた。
その態度に頭にきたユウが、ランドセルを引っ張ってゆうきちさとに尻モチをつかせた。
ゆうきちさとは、起き上がるとまた黙々と荷物を拾い集めていたが、彼女は泣いていた。
そこに突然現れたのが、同じクラスのふじかわあやのだった。
「お前らぶっとばす!」
竹の棒で散々ぱら叩かれ、僕らの被害は甚大だった。
ブーちゃんは大切にしていたバルサの飛行機が粉々に壊されてしまった。
ユウはセルロイドの色めがね付きの巨人軍の帽子がくしゃくしゃになってしまった。
僕は、物的被害こそないが、頭にふたつ大きなたんこぶが出来て“女に泣かされた”という不名誉なレッテルを一生背負うこととなった。
おまけに、ゆうきちさとに三人で土下座して謝ってるところをクラスの女子に見られ、まるで水戸黄門のいんろうを見せられた悪代官のようだったと卒業まで言われ続けた。
それ以来、ふじかわあやのは、僕らの隊長になった。