粉雪にさよならを
渋谷、原宿。

卓也と行った場所をひたすら歩いた
昼間だからかたくさんの人がいて、そこにポツリと私がいる

全ての人が私を視界にいれる間もなく通り過ぎて行った

私の傍にあるのは、降り積もる粉雪だけ
それが私の頭に積もっても、はらう気力はなかった

皆私に気づかない
別の世界にいるみたい

卓也と一緒に来たこの場所が、こんなに寂しい場所だったなんて

私はふらつく足取りで立ちあがった
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