monoTone
「そうなんだ」

京介が、どこで美月を見つけて、どうやって

救ったかなんて、わかんないけど、京介はす

ごいと思った。

今の話を聞く限り、みんなは中学から仲良か

ったのかな?

「みんな、中学の時から仲良いの?」

「そうだよ。俺が仲良くなったのは、中学か

らだからさ、みんなはもうちょっと前から、

仲良いんだよ」

「いいな~」

あたしもその時から、みんなの中にいたかっ

たな。

あたしは、中学の時は、ほとんど真夏と一緒

にいて、他の女子とも男子とも、深く仲良く

していた記憶はない。

あたしは仲良くしたかったけど、相手があた

しに遠慮してる感じだったから、あたしもあ

んまり関わらなかった。

「みんな、出会う前はどんな子と仲良くして

たの?」

「俺は、普通の奴らと普通に遊んでた」

「ヤスとか、今と変わらないメンバーと遊ん

でそうだね」

ヤスとか、普通に喧嘩してそうだし、はっち

ゃけ…

「…うっせぇ」

「ん?」

「…俺の話なんてどうでもいいだろ」

「は?」

「詳しく聞きてぇなら、俺と二人きりの時に

言え」

「…え?あっ…うん」

…ヤスが怒った。

初めて見た、ヤスが怒る姿。

…なんか、怖かった。

言うことを聞かなかったら、殴られそうで、

嫌われそうで、“うん”以外は、言ったらい

けない気がして、怖かった。

でも、理由を知りたくて。

聞かないと、仲間外れな気がするから、二人

きりの時に、ヤスに聞くんだ。

ヤスは中学の時、誰と付き合っていたか。

なんで、そんなに怒ったのか…
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