monoTone

「な~、ヤス!!髪染めようぜ!!」

「は?」

中学2年の俺は、制服を着崩し、校則も破っ

ていたけど、黒髪だった。

「俺、知り合いに美容師いんだよ。安くして

くれるっつってるし、やろうぜ!」

「さすがにヤバくね?」

「関係ねぇよ!!やろうぜ」

「そうだな。やるか!!」

俺らの軽いノリで、髪を染めることにした俺

ら。

ヒロが金髪にすると言うから、俺は茶髪にし

ようと思っていた…が。

ヒロの知り合いの美容師が

「君、赤の方が似合うんじゃない?」

なんて言いやがるから、俺の髪は赤に決定し

た。

髪を染めるには時間がかかり、3時間はかか

ると言われたけど、全然そんな長くは感じな

かった。

俺らはそれくらい、仲が良かった。

赤と金の髪を見つけたら逃げろ。

そう言われるほど、俺らは喧嘩が強くなり、

不良として有名になっていた。

そんなわけ俺らは、何気モテた。

俺は、可愛い子を選抜して、テキトーに付き

合っていた。

俺から振ることも、俺から告白することもな

く、ただ二股もすることもなく、付き合って

いた。

結構楽しかったし、他の男子にも羨ましがら

れたし、満足していた。

それに、女をコロコロ変えるのは、不良とし

て、カッコイイと思った。

「ヤ~ス!!」

今日も、誘われた年上の女と遊んでいた。

「お~、久しぶりだな。チビ」

「あたしがチビなんじゃないよ~。ヤスが大

きいんだよ~」

俺がでかいわけではねぇよ。

「んで、どこ行きてぇんだよ?」

「う~ん…とりあえず、映画?」

「あ?決めてなかったのかよ。バカだな」

「だって、ヤスとのデート、楽しみだったん

だもん」

「余計バカだな、お前」

年上の女にデコピンする。

俺もお前も本気じゃねぇのに、楽しみとかど

ーとかねぇだろ。

あるのはスリル、もしくは暇が潰せるくらい

だろ。

「ヤス、行こっ」

腕にからみついてきた女。

中2相手に、よくやるな。

まぁ、暇つぶしになるし、アイスおごっても

らお。

「アイスおごってよ、先輩」

「アイス~?いいよ。アイス好きなの?」

「アイス、うめぇじゃん」

「あはっ♪可愛い~」

アイスは、いつ食ってもうめぇんだよ。

「ヤス~。ヤス、今は彼女いないの?」

「いねぇよ」

「じゃあ、あたしと付き合ってよ!!」

「あ~、いいけど?」

「やった!!」

「俺、ボーリングやりてぇ」

「映画観たら行こっ」

「やべぇ、久々ボーリング。超楽しみ」

ボーリングかぁ…最近やってねぇし、すげぇ

早くやりてぇ気分だ。

ボーリングと聞いただけで、ルンルンしちま

う俺。

何だかわかんねぇ、恋愛映画で少し寝て、ボ

ーリングに備えた俺。

元気出てきたし、ストライクとりまくってや

る。

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