monoTone
「ねぇ、聞いた!?」

「何を?」

テンションの高くなった真夏が、あたしに飛

びかかってきた。

「転入生が来るんだって!!」

「ふ~ん」

別に、興味ないけど。

「しかも、イケメン男子らしくて!!しかも、

金髪なんだって!!」

「金髪?」

金髪なんて奴、うちの学校に受かるの?

「頭良いの?」

「らしいよ~。見に行かない?」

「え~、めんどくさい。名前は?」

「ん~、こういう字」

真夏はあたしのペンを取り、紙に名前を書い

た。

【繭咲豪瑠】

「何て読むの?」

「あたしもわかんないんだよね~」

「う~ん…」

まゆざき…ごう、ごうる?

まゆざきは良いとして、ごうる?

ゴール?

サッカーとかの、あのゴール?

「ゴール?」

「そんなわけないでしょ」

あ~、ですよね?

「何でこんなに、読めない名前をつけんの?

画数多いし、書くの大変じゃん」

「さ~、転入生、名前何だろうね?イケメン

金髪男子だし!!」

「真夏には大輔がいるでしょ?」

「日向にも湊君いるじゃない」

「あたし別に、その転入生に興味ないし」

「あ~、そうだよね。転入生なんかに興味な

いよね。湊君、カッコイイし」

「まぁ…京介は、カッコイイけど」

「うわ~、ノロケないでよ」

「ノロケじゃないし。で、見に行くの?転入

生」

「ん~」

「大輔に怒られるよ?」

「やめる!!」

真夏が本当に、大輔を好きになってくれて良

かった。

「聞いてると、うちのクラスみたいだね、転

入生」

「そうなの?」

「うん。多分」

周りの皆さんが、転入生がうちに来る!!って

騒いでる声が聞こえる。

「え~、早く来ないかな?」

転入生ね~

京介たち、何も気にしてないみたいだし、変

な人ではない?

「はる君、転入生見に行った?」

「行ってないよ。男見に行ってもね」

「あっ、そっか」

「京介は?って、寝てるか」

「興味もないの?」

「ないね~。誰が来ても関係ないし」

「だね」

ホームルームの時間になり、席に着く。

「転入生を紹介~。入って」

そう言われて、転入生が入ってきた。

あ~、本当に金髪だ。

…ん?

何か、見たことある?
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