monoTone
あたしは、次の授業の教科書を持ってきて、

席に置こうとした。

そしたら、豪瑠に腕を掴まれた。

「ちょっ…豪瑠?何?」

「学校案内しろ」

「は?」

「学校案内なら、あたしたちするよ~」

ね~っと、声を合わせた、豪瑠を取り囲む女

子たち。

「…知らねぇ女に学校案内なんか、されたく

ねぇよ」

豪瑠はあたしの手を引っ張り、歩き出す。

「待って!!」

教科書…それに、京介。

行っちゃダメでしょ…

「んだよ。お前、揉め事なんか起こしたくね

ぇんだろうが。なら、従え」

「え~…しかもあたし、お前じゃない」

「日向」

「う~ん…」

次は嫌いな授業だし…いっか!!

「とりあえず教科書置いてくるから、待って

てね!!」

教科書を席に置いて、京介に、豪瑠と学校探

検をすると伝えて、豪瑠のところに戻る。

「どこから行く?」

「俺、知らねぇんだけど」

「あ、そっか」

ん~、どこから行こう?

「じゃあ、一階からにしよっ」

一階から、隅々説明してく。

絶対に授業に出なくていいように。

「豪瑠、頭良いの?」

「それ、本人に聞くことじゃねぇよ」

「そう?でも、大体はみんな、自分の成績だ

と、このくらい…的なの、ない?」

「まぁ…お前より良いことはねぇな」

「あたしの成績知らないくせに~。お世辞、

いらないから~」

あたしがそう言うと、豪瑠は、寂しそうに笑

ってた。

…何?

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