monoTone
「軽っ」

あまりにも日向が軽すぎて、一瞬日向を落と

しそうだった。

まぁ、身長低いし、軽いかもしれねぇけど、

腕とか足とか、細すぎだ。

大きな二重目に、白い肌。

頬は少しピンク色で、赤い唇。

長い髪は、自然な茶色。

…何もかも、綺麗すぎだ。

昔から変わらず。

「…お前、今誰見てんだよ」

今、無防備に寝ているお前は、誰を見て、誰

を想ってる?

日向をベッドに寝かせると、俺は、そのベッ

ドの脇に腰を降ろした。

…はぁ。

寝てると余計に小さく見えて、大きなベッド

の上にいるお前は、童話の中の姫だ。

いや…湊の姫か。

「総長!!」

「…何だよ」

「もう、無理です!!」

湊たち全員を相手すんのは、さすがに無理に

決まってる。

「中に入れろ」

…湊と話、つけるんだ。

「…繭咲」

中に入ってきた湊たちは、すげぇ面して、こ

っちを睨んでくる。

「俺は、喧嘩する気ねぇ」

「…日向はどこだ」

「ここにいんだろ?」

俺は、日向の頭を撫でる。

…気持ち良さそうに寝やがって。

「日向に触んじゃねぇ!!」

でかい声を出すなんてこと、滅多にしねぇく

せに、日向のことだと必死だな。

「湊、話がある。他の奴ら、追い出せ」

「あぁ?てめぇ、意味わかんねぇこと、言っ

てんじゃねぇ」

赤髪がうるせぇ。

「湊、日向はこっち側にいる。わかるよな?

意味」

「…ヤス、やめろ。美月も、徠斗も」
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