monoTone

殴りかかりに来ようとしてた、チビで女面し

てる奴と金髪が、湊に止められた。

…金髪、ね。

何が良くて、好んで染めるんだよ。

「晴輝、こいつら頼む」

「…あぁ」

立花が…俺を睨む。

立花も、喧嘩は強い。

…というか、湊より立花の方が、雰囲気が冷

たい。

だから、こいつが日向のために攻めに来た、

ということが、日向を大切にしている、とい

うことだ。

「…何の用だ、繭咲。日向を返せ」

「安心しろ。ただ寝てるだけだ。何もしてね

ぇよ」

「何がしてぇんだ」

「いや、ただ話がしたかっただけ」

「…何の話があるっつーんだ」

俺は、すぐ側で寝ている姫を指差す。

「日向について」

「…あ?」

日向、と名前を出しただけで、低い声を出す

湊は、相当日向に惚れてる。

「日向は、渡さねぇ」

しっかりと宣言をした、湊。

「………俺も、渡したくねぇんだよな」

悪ぃが、俺もこれだけは譲れねぇ。

「…日向は俺の、初恋なんだ」

湊が、俺の目を真っ直ぐ見て言った。

そして、日向を見つめ、優しく笑った。

初恋…か。
< 134 / 138 >

この作品をシェア

pagetop