monoTone
「あ?」

何が、ドキドキされられっぱなしだよ。

お前、いつだって余裕満々な顔してるくせし

て、何言ってやがる。

「…あいつは、どこかに近くにいる奴らを、

惹き付ける力を持ってて。俺も、それは例外

じゃねぇから。だから、不安なんだ」

不安?

お前が?

「お前に捕られんじゃねぇかって、今だって

思う」

…お前から、奪ってやりてぇよ。

「だからこそ、お前にはやんねぇ。日向は、

俺のモンだ。渡せねぇ」

「…俺だって、簡単に諦められねぇよ」

「何でお前が、こんなに一人の女に執着すん

だよ。お前には、女なんていっぱいいんだろ

うが」

「お前もだろ?」

確かに、いた。

日向と出会うまで、彼女は多数いたし、女に

困ったことは、今まで一度もねぇ。

「女とは、全部別れた」

「は?」

付き合ってた女とは、全部別れて、ケータイ

に登録していた女のアドレスも、全て消し、

女とは断った。

「日向は、特別なんだ」
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