monoTone
月曜、珍しく早起きして、早朝から教室にい
た俺。
今日は、雨が降っていた。
そう言えば橘、雨が嫌いなんだった。
…朝のHRが始まったのに、橘が教室に来な
い。
俺が、HRで起きているのに。不思議がるク
ラスメイト。
そして、怯える担任と笑っている晴輝。
その怯える担任が、伝達を始める。
「た…橘さんは、今日は高熱で、けっ…欠席
で…す」
…欠席?
「は?」
「橘さんは、お休み…です」
「晴輝、今日俺、帰る」
「お~、ノートは任せろ」
外に止めてある、バイクに乗る。
雨に濡れんのは嫌だが、今日は橘に謝りに来
ただけ。
橘が熱なら、仕方ない。
―Buuuuuuuu Buuuuuuuu
ケータイのバイブ音がする。
誰だよ…
【学校で謝れなかったんだから、電話ぐらい
しろ】
―こんな世話好き、晴輝しかいねぇよ。
電話…するのか?
女には基本、電話しない。
かかってきても、切ってしまうし、かける必
要すらない。
…かけるか、電話。
『……はい』
熱…なんだった。
『誰…ですか?』
「…俺」
『…京介?』
熱のためか、息が上がっていて、声も少し高
い。
「…悪かった。その…俺…」
あぁ、上手く言葉が出ねぇよ。
『京…介…苦し…』
「は?」
『京介…会い…たいよぉ…』
…会いたい?
ブチッと電話を切られて、俺は呆然と立ち尽
くす。
…何なんだよ!!
雨だとわかりつつも、上着を羽織って、外に
飛び出した。
「チッ」
雨が冷てぇ…イラつく。
バイクに跨がり、道を飛ばす。
家がどこにあるかなんて、知らねぇけど、あ
いつの話からなんとかっ…
「…着いた」
。