monoTone
あいつに聞いた話と、自分の勘だけで、橘の

家に着いたことに、すごくびっくりした。

インターホンを鳴らすけど、反応はない。

…高熱、だったよな?

倒れてたらどうする…?

……入るしかないか。

「…お邪魔します」

いるのは…あいつだけだな、多分。

インターホン鳴らしても、誰も出てこないん

だし。

明らかに左側にあるへやは、リビングだった

から、あいつの部屋は2階だ。

…2階に行くしかないか。

…あったな、“日向”と書かれた部屋。


―コンコンッ


…反応なし。

「…入るぞ」

「…う…」

高熱にうなされている橘。

熱のためか、顔が真っ赤になっていた。

「…大丈夫か?」

「ぅん…京…介…?」

「…ごめんな。変な勘違いさせて…」

…恥ずかしい。

「ん…?」

「…俺、お前のこと……好きだから」

「うん…あたしも…好きだよ…」

…は?

「…橘」

「京介…」

いきなりベッドから降りた橘は、俺に抱きつ

いた。

「おっ、おいっ…」

「……眠い…京介、あったかぁい…」

そのまま橘は、俺の腕の中で眠っていた。

…好き、聞こえてねぇな。

「眠ぃ…」

俺も、寝よう。

どうせ、橘が寝てて、動けないし。

この、小さな温もりが…気持ちいい。

「…橘、おやすみ」

…俺も一緒に、夢の世界に落ちた
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