monoTone
「…看病、してやる」

「…京介?」

「…親に連絡しとけ。俺ん家行くぞ」

…その声が、真剣な低い声だったから、思わ

ず頷いてしまった。

「服用意しろ」

「うん」

そう言われて、思い体を無理矢理動かす。

京介は、服を用意することに気を使ったのか

な?

いつの間にか、京介は、部屋からいなくなっ

ていた。

…優しいところ、あるんじゃん。

「…京介」

「…支度、できたか?」

「うん」

そう言うと、部屋に戻ってきた京介。

あたしが震えながら抱えていた、あたしの荷

物を見つけて、持ってくれた。

「………体調悪ぃのに、無理すんな」

ぶっきらぼうに、そう言って。

あぁ…あたしの心臓、熱に犯されたのか?

血が逆流してるのかと思うぐらい、おかしく

なってるよ…

鼓動がうるさい。

静まって。

うるさすぎて、京介に聞こえちゃうよ…

「…行くぞ」

「…雨は?」

気になっていた。

雨が降ってるかどうか、今日は確認していな

かった。

毎日、雨が降っているか、確認するのは日課

で。

雨が降ってるなら、外に出歩くのは、考えな

ければいけない。

「…さっき確認した。もう、止んだから」

「…確認?」

なんで、京介が…?

「…お前が、雨嫌いっつったから」

「覚えててくれたの…?」

「…たまたま思い出しただけだ」

…この話をしたのは、京介があたしのこと、

嫌いじゃねぇ発言した日。

…京介とは、もう話しちゃいけないと思って

いた。

けれど、京介は、あたしを看病してくれて、

あたしを家に誘ってくれている。

京介と会った瞬間…

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