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夏の海の祭りⅠ

あの日、お兄ちゃんにあんな顔されてから、

学校外で京介たちと関わることは、なくなっ

ていた。

学校に迎えに来る、ヤスたちに会うことはあ

っても、少し話したらバイバイするだけ。

メアドもケー番も知ってるけど、特に、連絡

することも、くることもなかった。

そして、明日から夏休み。

学校もないから、京介たちと会うことはなく

なる。

…少し寂しいけど、しょうがないよね。

「橘〜」

「ん?」

帰り際、はる君に呼び止められた。

「真夏ちゃんと、大輔呼んできて」

「えっ?うん」

真夏と大輔を呼んでくると、そこには、電話

をしている京介もいた。

「どうしたの?」

「明日から2週間、合宿するよ」

…はい?

「このクラスで選ばれた、俺ら5人と、他の

学校の代表3人と2週間、合宿することが、

急だけど、決定したんだ」

そう言ったはる君は、学校からの説明の紙と

思われる紙を渡してきて、それを読んでいる

と、真夏が騒ぎ出した。

「行きたい!!ねぇ、大輔も行くでしょ?」

「まぁ…真夏が行くなら」

「やった!!立花君、行かせてもらうね?」

最近付き合い始めた真夏と大輔は、夏休み中

に、長い間、一緒に過ごせることが嬉しいの

か、行く気満々。

「橘は?」

「う〜ん…合宿だし、急だけど行くよ。多分

家族も、了承してくれると思うから。ダメだ

ったら、連絡するね」

「良かった。京介、大丈夫だ」

「…わかった」

そう返事をした今日せけは、また電話の相手

と話し出した。

…合宿かぁ。

その後は、持ち物や集合場所、何をするか、

どこか…など、いろんなことを話した。
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