monoTone
「湊京介…あぁ、そう!!京介!!」

「…誰のこと呼び捨てしてんだ、てめぇ」

「えっ?」

あたしに不機嫌そうな、低い声で声をかけて

きた人。

…漆黒!!

髪、めっちゃ黒いやん!!

「こいつが京介だよ、橘」

「あ~、京介ね。あたし、橘日向。よろしく

ね」

「…お前なんかとよろしくしたくねぇ」

不機嫌極まりないよ、この少年。

いや、少年の年じゃないか…

とにかく、漆黒の髪が綺麗。

同じ色の瞳をしていて、切れ長目に、二重、

まつ毛がすごく長くって、左目の下にあるほ

くろが、すごく…

「カッコイイな!!京介。目だけで、何個美点

あんの?目だけでモテるでしょ~」

しかも、鼻とか半端なく高いし。

薄めの唇が、そんなに冷たい言葉を出すなん

て、誰も思えないよ。

てか、身長高っ!!

「ねぇ、身長何センチ!?身長、高いよね」

「……180越えぐらい」

あたしと30センチ差ですか!?

だから、顔見るの、めちゃくちゃ大変なんだ

ね!?

てか、下から見てるから、余計鼻高いし、や

る気をなさそうにしてる目のまつ毛が、めち

ゃくちゃ長いんですけど!?

「いいな~。ホント、あたしと30センチ違う

よ~。あたしに、5センチくらいでいいから

さ、身長ちょ~だいよ~」

「…こいつ、うっせぇ」

ガタッて音を立てて、あたしの隣の席に座っ

た京介。

「てか、橘~。よく京介のこと、呼び捨てで

きるな。女子でそんなことしたら、京介と、

京介のファンクラブに、なに言われっかわか

んねぇもん」

「ファンクラブ…?何、京介って有名人なわ

け?そうだよね、カッコイイもんね~」

「有名っていうか…本当に、知らないんだ。

京介、普通に芸能人とかじゃないけど、まじ

でモテるんだよ。もう、ファンクラブできる

くらいに」

「…晴輝、余計なこと喋んな」

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