monoTone
今日は…美月とのデートの日。

デートプランは、やっぱり決まってないらし

く、どうしようか…と悩んでいた。

「美月、どうする?」

「俺、女なんかと遊びたくねぇよ~。京ちゃ

ん」

「あ?」

「美月、女もうそろそろ、克服しろよ」

「無理だ」

「あの~」

あたしは思い付いちゃった。

美月が、街で女に声かけられない方法。

「ん?どうした、橘」

「美月、女装したら…女の子には、声かけら

れないんじゃないかな?」

「…は?」

「だって、女の子が女の子に声かけてるとこ

なんて、あたし一度も見たことないし、あた

しさえ平気になってくれれば、それで大丈夫

じゃない?」

「…お前が嫌いだ」

「遂にあたし、嫌いって言われちゃったよ。

まぁ、嫌いでも、何でもいいけどね。あたし

は美月について、嫌いとかなんとか思う前に

さ、美月のことあんまり知らないし」

「…は?」

「は?って言うの、やめて?美月、さっきか

ら、は?しか言わないし。他の反応もしてほ

しいよ?」

「…女装なんか、誰がするか」

「じゃあ、今のままで街に出る?きっと、あ

たしがいようといまいと、女の子たちは、き

っと、美月に声をかけるよ。そしたら、あた

し美月に嫌われてて、彼女ってわけでもない

し、助けないからね?」

「…別にいいし」

「じゃあ、行こうか。あたし、スイーツバイ

キング行きたいなぁ。プラン、決まってない

んだから、別にいいよね?」

「…は?」

「は?は、禁止」

「チッ」

「行くよ~」

美月のワガママ、付き合ってらんない。

あたし、今日は美月としか遊べないし。

真夏と大輔は、ラブラブデート中だし、ヤス

と徠斗のペアは、バイク見に行っちゃってる

し、はる君と京介は、忙しいみたいだし。

あたし、暇したくない~。

ギュッと美月の手を掴み、出発~♪

「うわっ!!ちょっ…や~!!やめろ~!!」

「うっさい」

「京ちゃん~!!助けてっ!!」

「…俺、助けていいのか?」

「ダメ、京介。今日は、我慢しろ」

「チッ」

…京介、舌打ちはどうかと思うよ?

「じゃっ、行ってきま~す」

「京ちゃん、マジで助けて…」

「…頑張れ、美月」

「行ってらっしゃい、橘」

< 58 / 138 >

この作品をシェア

pagetop