monoTone
強引に手を引き、街の中を歩く。

「行くから!!手、離せよ!!」

「あっ…ごめん」

美月の手を離して、人混みを歩いていく。

スイーツバイキングに着いて、席に案内され

ると、美月が力がなくなったように、席に座

った。

「どっ…どうしたの?」

「…人混みに酔った。女の多さに酔った。気

持ち悪ぃよ…」

珍しくいっぱい話した美月は、話が終わるの

と同じタイミングで、机に突っ伏した。

「オレンジジュース、飲める?」

あたしが話しかけると、もう疲れてしまった

のか、コクンッと首だけ縦に振った。

「はい、とりあえず、飲みなよ」

あたしがオレンジジュースを美月に渡すと、

美月はそれを、一気に飲み切った。

「甘い物、取り行こ?」

二人で席を立ち、バイキングを楽しんだ。

わぁ!!

い~っぱい甘い物があって、どれから食べよ

うか悩むよ~♪

ゆっくり選んで席に戻ると、美月の姿と、ギ

ャルっぽい女が二人。

「ね~、いいからっ!!そんな女、ほっときな

よ~」

「そうそう!!うちらと遊ぼ~よぉ」

「遊ばねぇよ!!手、離せよっ!!」

「え~、いいじゃ~ん!!」

「だから、彼女と来てんだって!!」

ん~、美月、明らかにギャル二人に絡まれて

るよね?

てか、彼女ってあたしのコト…?

「美月~?何してんの~?」

あたしが声をかけると、涙目の可愛いうさぎ

さんが、あたしを睨む。

「日向っ!!助けろよっ!!」

美月が必死にあたしに、助けを呼ぶ。

「あの~、お姉さん?この可愛いうさぎさん

は、あたしのなの。デート中だから、邪魔し

ないで?」

「は?何、この女~?うっざ~い」

「うん。ウザくていいや。だから、美月の腕

離して」

明らかに、あたしの方が背が低いから、女二

人を見上げることになる。

離してくれなそうだから、睨んでみた。

「ねぇ、この子可愛くない?」

「わ~、本当だ。超可愛い~!!肌ツルツル。

目、おっき~!!メイク、してる?まつ毛、長

~い」

「薄くしてるもん…もういいでしょ!!美月と

遊んでるんだから、邪魔しないでよっ!!」

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