monoTone
「ね、こいつ冷たいんだけど、やっぱカッコ

イイからさ。俺も、カッコイイって言われて

みたいわ~」

「確かに、京介はカッコイイもんね。でも、

はる君もカッコイイよ。京介いるから、目立

たなくなっちゃうだけ。十分カッコイイ」

「お世辞上手いな~、橘は。ていうか、なん

でいきなり、京介を呼び捨てしたん?」

「え~、なんでって言われても…って感じな

んだけどね、あたしさぁ、人に君付けも、名

字で呼ぶのも嫌いなんだよね。まぁ、はる君

みたいな、あだ名で君とかは平気なんだけど

ね」

「あ~、そうなの?じゃあ、京介、しょうが

ねぇな」

「ん?なにが?」

京介は、左手でスクールバックの中身を取り

出す。

なんで左手なんだろ?

「京介って、左利き?さっきから、ずっと左

手で作業してるよね?」

「あ?」

はい、今君、めっちゃめんどくさいって顔し

たよね、絶対に。

「めんどくさいって顔、しないでよ~」

「うっせぇ」

「ね~、はる君。京介がひどいよっ」

「京介に話しかける人、少ないからね。しか

も、京介にこんな積極的な人、いないから。

慣れてないんだよな」

「そうなの?みんな、京介と話せばいいのに

ね。で、京介は左利きなの?」

「左利きだよ、悪ぃかよ?」

「悪いなんて言ってないよ。いいな~、左利

き。左利きって、頭良さそうに見えるし。あ

たし、勉強できないし」

「…うぜぇ」

ウザイって!!

泣いちゃうよ、あたし…

「ウザイ言わないでよ。ショック受けるじゃ

ん。できれば、優しい言葉をかけてほしいか

な~」

「…うぜぇ。ショック受けてろ、バカ」

そう最後に、あたしにとどめの一発を食らわ

せた京介は、机に突っ伏する。

あ~あ、寝ちゃった。

せっかくのお隣さんだし、仲良くなりたかっ

たんだけどな~。

はる君みたいに、優しく答えてほしかった、

なんて思ったりしてます。

だって、席の近くに仲の良い人いたら、授業

中とか暇じゃないし。

京介の意地悪~、話してくれたって良いじゃ

ん。

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