monoTone
「あっ、京介!!あたしのこと、名前で呼んで

よ!!はる君もだけど、なんであたしのこと、

名前で呼んでくれないの?真夏のことは、名

前なのに…」

「…俺、あいつのこと、名前で呼んでねぇけ

ど」

そうですね…

名字すら、呼んでるとこ、見たことない。

「いいから!!あたし、日向って呼ばれたい!!

彼氏なんだから、いいでしょ?」

「…日向」

あっ…

失敗だった。

京介って、何でこんなに声、低くてカッコイ

イの…

顔、何でそんなに綺麗なのよ…

言わせたあたしが、照れるよ…バカ。

「京介、今からどこ行く?」

「日向は?どこ行きてぇんだよ?」

…日向って呼ぶなよぉ!

矛盾してるけど、照れて何も言えない!!

それより、名前を呼ばれる度に照れるあたし

で、遊んでるよね、京介?

「ゲーセン行きたい。京介は?」

「…別に。日向が行きたいなら」

ダメダメダメ~!!

絶対今、顔真っ赤だよぉ!!

ほら、京介がニヤッて笑ってる。

「ぶぅ」

京介…ひどい。

「ごめんな」

あたしが拗ねると、優しく頭を撫でてくれ、

あたしの手を、そっとギュッと握った。

あたしたちは、そのまま手を繋いで歩いて、

ゲーセンまで来た。

ユーフォーキャッチャーで、うさぎのぬいぐ

るみをとってもらって、抱き抱えて、街を歩

いてく。

「次、どこ行く~?」

「…湊。女連れて、何してんだ?」

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