monoTone
「日向」

そんな時、あたしを呼んだのは、あたしの…

彼氏、大輔だった。

大輔の隣には、真夏もいて、二人はお似合い

だな~なんて、思ったりしていて、二人が付

き合っちゃえばいいのに、なんて思う。

「大輔。どうした?」

「…行くぞ」

はる君と京介と話していたところから、大輔

に手を引かれ、その場をあとにする。

「大輔?どうしたの?」

あたしが聞いても、大輔は無視。

真夏も、当たり前とでも言いそうな顔をして

いて、あたしの質問は完全に無視。

無視はひどくない!?

さっきからあたし、いろんな人に、冷たくさ

れてないかい!?

あ~、きっとあたし、嫌われてんだ。

大輔なんて、彼氏なのに。

あっ、でも…大輔があたしを嫌いなら、この

関係は終わるんだ。

…それはそれで、いいこと、だよね?

……寂しいなんて、思ってないよ。

「日向、わかってる?大輔は、日向が彼氏の

いる教室で、他の男と仲良くしてるのを見て

たから、日向を呼んだんだよ」

「えっ?」

「…今話してたの、誰?湊以外の奴」

「あ、はる君。立花晴輝」

「晴輝…あぁ、湊といつも一緒にいる奴」

「湊、湊って…京介って、そんなに有名?あ

たし、今日初めて知ったんだけど…」

「日向、知らないの!?湊クンのこと、学年…

いや、学校の半分は好きなんだよ!!もう、そ

れは有名だよ」

「へ~、今日初めて見たし、初めて名前知っ

たのに」

「…なんでもいいから、湊とは仲良くすんな

よ。わかったな、日向」

「えっ?なんで?」

「なんでも。わかったな?」

「あっ…うん」

大輔が、そんなことを言うから…

京介は悪い人なんだって、そう思った。
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