monoTone
走り出して、やっぱり意外にも速い、柔道部

を追って走る。

でも、あたしだって負けません。

チビ歴何年だと思ってる!?

年齢イコールチビ歴なんだぞ、バカ!!

柔道部の横に並ぶくらい、追い付いた頃…

柔道部が、いきなり横にずれて、あたしにぶ

つかってきたっ…

「きゃっ」

あの巨漢にぶつかられたあたしは、やはり転

ぶわけでして…

「痛いし…」

さて、立って走り出さなきゃですね。

「…っ…」

ヤバイ…足首、挫いた。

とりあえず…走らなきゃ。

京介にバトン渡して…柔道部のクラス、抜い

てもらえばいいんだ。

無理に足、動かせば走れる。

無理に足を動かして、柔道部との差は、3メ

ートルくらいだ。

「京介っ!!」

京介が、本気で走るなんて…性格からは、想

像つかないけど、きっと、京介なら、走って

くれるはず。

京介は、一瞬こっちを向いて笑い、走り出し

た。

…笑顔、カッコイイ。

「京介~!!一位とってよ~!!」

「…フッ」

京介、絶対今、鼻で笑ったよね?

快速で走る京介は、軽々と一位になり、独走

状態。

走ってる姿は、もうファンからの黄色い声援

で包まれていて、あたしですら、カッコイイ

と思ってしまったよ。

ピストルの音がして、京介が、あたしたちの

クラスが一位をとったのがわかった。

……良かった…

あたしのせいで、一位とれなくなっちゃった

ら、どうしようって思ってた。

京介は、ゴールしたというのに、まだ走って

いて、あたしのところまで来た。

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