monoTone
もとから身長が低くて、子供っぽいのに、そ

んな服着たら、余計に子供に見られるよ。

「…多分、似合うと思うぞ?」

耳元でそっと言われ、頭を撫でられる。

「湊君、橘さんなんだって?いいって?」

「…あぁ」

「やった!!じゃあ、これ着てね!!」

掲示用のメイド服を押し渡されると、委員長

は「仕事開始!!」と全員に声をかけた。

…バカ京介。

「京介はいいの!?執事服だよ?」

「…晴輝は着ればカッコイイのに、俺には着

られねぇのか?」

「いや、そういうわけでは…」

着てほしかったけど、京介が着たら、絶対に

カッコイイと思ったけど…

京介が着たら…あたしもだし。

ていうかはる君、その話を京介に話したって

ことだよね!?

そう思って、はる君を見たけど、にこっと笑

って誤魔化された。

「京介…あたし、着たくない。座ってお茶飲

んでるだけでも、着るの嫌」

「…しょうがねぇだろ」

「…嫌」

「俺とペア組むのが嫌か?」

「違う」

「なら着てこい」

上手く京介に丸め込まれて、更衣室に押し込

まれた。

渋々着替えを始めるあたし。

…やっぱり似合わない。

「橘さん、着替え終わった~?」

「…ねぇ、委員長」

「着替え終わってるじゃ~んっ!!」

…終わりたくなかったんですけど。

スカート、短すぎるんですけど。

というか、サイズがピッタリすぎて、あたし

用としか思えないんですけど!!

「うんっ!!やっぱ、似合ってるよ!!これで、

利益出まくるよ!!湊君も、す~っごいカッコ

良かったよ!!」

「…京介、今どこにいる?」

「すぐそこにいるよ」

この姿で歩くのは恥ずかしいけど、京介の姿

を見るためだから、仕方ない。

「京介」

京介の背中に声をかける。

振り返った京介は…その服が、似合いすぎて

いた。

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