monoTone
「あ?俺のせいにすんな」

「京介、早くケンザキやっつけてよ。ケンザ

キ、仲間を早く助けなさいよ」

「あ?なんで俺があいつら助けなきゃなんね

ぇんだ」

「総長だからでしょ?リーダーじゃない。助

けなさいよ。あんたの手当ては、あたしがし

てあげるから。とりあえず、倒れてる仲間起

こして。保健室行く」

「あ?」

「は?」

京介とケンザキの声がハモった。

「…日向、何言ってんだ」

「いいから。ほら、ケンザキ早く」

みんな、青くアザができてる。

ケンザキも口の中を切ったみたいだし、喧嘩

しても、手当てくらいしてあげるべき。

「…全員起きた」

「じゃあ、保健室行くから、ついてきて」

「あぁ」

「…日向」

「あたしから離れないように、手、握ってて

よね、京介」

「…あぁ」

二人共、あたしがうるさいからか、大人しく

従ってくれた。

保健室に連れてきて、手当てが終わると、も

う外部の人は、帰らなければいけない時間だ

った。

「もう帰って。もう時間過ぎてるの」

あたしがそう言うと、ケンザキは立ち上がっ

た。

京介に近づいて…殴った。

「京介っ!!ちょっと、ケンザキ!!」

「…湊。油断してんじゃねぇぞ。俺も…だ。

それに、他の奴も奪いにくる」

「…チッ。わかってる」

「じゃあ、今日は帰る」

「…二度と俺に顔見せんな」

意味のわからない会話を続けた二人は、不適

に笑って会話終了。

「…意味わかんないよ」

「…あいつ、殴ったの本気だな」

「…痛い?」

「別に」

あ…珍しく即答。

痛いってことだな、これ。

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