monoTone
「はい」

保冷剤を京介に渡して、目を冷やすように促

した。

めんどくさそうに目の辺りを冷やしている京

介は、保冷剤まで似合っている。

「…目、腫れなくて良かった」

「あ?」

「だって、京介の顔が腫れると、ファンの子

が心配するよ?」

「興味ねぇよ」

「あたしも心配する」

「…わかったって」

「あんまり喧嘩、しないでね?」

「…ケンザキに勝てって言ったり、喧嘩した

りすんなって言ったり、自由な奴だな」

「複雑な乙女心ですよ~だ」

「…乙女じゃねぇだろ」

「乙女だって!!女の子なのは間違えない」

「んな小せぇ男はいねぇよ」

「京介うるさ~い!!」

「橘!?」

「日向っ!!」

「おいっ、チビ!!」

「日向ちゃ~ん」

…聞き慣れた声がする。

「…なんでいるのよ」

「京介っ!!お前、狼牙と喧嘩しやがって」

「なんで俺ら呼ばねぇんだよ。徠斗、そうだ

よな?」

「そうだぞ~。俺も呼んでほしかったな~。

そうだよな~、ヤス」

「日向っ、大丈夫か!?」

なんで、うちの高校の制服着た、ヤス、徠斗

と美月がここにいるの!?

「大丈夫だけど…なんでここにいるわけ?て

か、制服はどこで手に入れたのよ!?」

「晴輝と京介の制服の呼び借りたに決まって

んだろうが。バカチビ」

「…ヤスって、相変わらずムカつく。はる君

は、このメンバーで遊んでたんだね」

「そう。男同士で暑苦しくね。俺も橘と一緒

に回りたかったなぁ」

「俺もっ!!ていうか、女子ばっかりいて嫌だ

った!!」

「美月、頑張ったね」

「今からは一緒に行動しようぜ!!」

「うん」

「俺は、女の子いっぱいで楽しかったよ~。

ここの子たち、可愛いし~。積極的で~」

「…徠斗のバカ」

徠斗の金髪とケンザキの金髪は、やっぱり違

う。

徠斗は、とっても綺麗に染めてあって、デザ

インされている。

逆にケンザキは、染めた感じはあんまりしな

くて、地毛みたいな自然さで、髪型もデザイ

ンした感じではなく、本当に自然な感じ。

ついでに言えば、性格も真逆っぽい。

徠斗は女好きだけど、ケンザキは女に興味な

さそう。

「…もう、徠斗のことは考えたくない」

「何?俺のこと、考えてくれてたの~?」

…この女好きのことは、忘れてやる。

「日向、可愛かったよ」

「えっ?」

「メイド」

「…来てなかったよね?美月、カフェに」

「うん。晴輝が写メくれた。見る?」

「…見たくない。思い出したくもない」

「じゃあ、普通に写真、後で撮ろうな?」

「うん」

「もう後夜祭始まるよ。行こうか」

ハプニングはまだまだ終わらない…!?
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