monoTone
「は?」

「………」

「あたし、京介と付き合ってない」

「そうだ~!!日向は、俺んのだ!!」

美月の声が聞こえて、美月がはる君、ヤス、

徠斗、大輔、真夏に囲まれ、捕らえられてる

のが見えた。

声出しちゃ、ダメでしょ~よ。

「京介も何とか言ってよ」

「…俺は知らね」

「本当に付き合ってないんですか?なら、付

き合っちゃってくださいよ~!!」

「はい!?」

「……別に俺はいい」

「はぁ!?」

付き合うって話か!?

「じゃあ、決定ですね~!!今日から、新カッ

プル誕生ですっ!!」

「本当に!?京介、本気?」

「…別に、俺が決めたわけじゃねぇ」

「ちょっと、司会さんっ!!」

司会の男子生徒に詰め寄り、身長の小さいあ

たしは、そいつを下から睨んだ。

「う~ん…湊さんに譲りたくないですがね、

他の人はもっと嫌ですからね~」

「京介っ!!」

「…別に、いいんじゃね?」

「えっ?」

手を引っ張られて、引き寄せられて、ギュッ

と抱き締められた。

「ちょっ…京介!?」

「俺は別に…お前のこと、嫌いじゃねぇよ?

日向」

…嫌いじゃない。

京介でいう…好き。

日向って呼ばれるだけで…今は、くすぐった

い。

「京介のバーカ」

ギュッと抱き締め返したあたしは、もっとバ

カだけどね。

「あっ…あの、沖縄に4泊5日の旅行…」

「8泊10日の旅行…ゲット?」

「…そうだな」


―CUNE…


京介の、油断した笑顔にドキッとしてしまっ

た。

ラブハプニング、終了…でいいのかな?

今日から、あたしの彼氏は京介。
< 87 / 138 >

この作品をシェア

pagetop