monoTone
「…安心する」

この匂いは…好き。

すぐに京介のマンションに着き、何気なく手

を繋ぎ、京介の家に入った。

あの雨の熱の日から、一回も来ていない京介

の家。

京介の家だから当たり前だけど、家中が京介

の匂い。

「何か忘れ物でもしたの?」

「…してねぇよ」

じゃあ、何をしに来た?

「しばらく…ここにいる」

「何で?」

「…目、少し腫れてる」

「えっ?」

「…冷やせ」

いつの間にか、京介は保冷剤を持っていて、

あたしに渡した。

「ごめん。ありがとう」

京介から取ってきてくれた保冷剤で、目を冷

やした。

朝冷やして、腫れが引いたはずだったのに、

また腫れちゃったのかな?

ふと見た窓に映った自分の目は、そんなに腫

れてなかった。

普通の人が見ても、わからないくらいしか腫

れていない。

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