私の彼氏は俺様系男子
すると矢野は私の手を引っ張り、
私は矢野の方に引き寄せられた。
「……何すん……っ!?」
私の声はそこで途切れた。
正確にいうと、途切れさせられた。
私の唇と矢野の唇が軽く重なっている。
何が起きてるのか分からない。
すると唇が離れた。
呆然とする私に、矢野は言った。
「アホ面」
「なっ………!!」
「ほら、行くぞ」
矢野は微笑み、再び手を掴まれた。
…………何、あの微笑み!?
あの微笑み方はズルいよ………。
俺様な顔しか見せないくせに。
不意に見せる笑顔は反則だっつーの。
てか、私キスされたよね?
なんで、私キスされたの!?
矢野が嫌いかって言えば、
嘘になる。
どちらかというと、気になる。
でも、確信のある恋愛感情ではない。
キスされた時、拒めることも出来たはずなのに。
なのに私はどうして拒まなかったのだろか。
やっぱり、矢野のことが…………好きだからなのかな?