LAN×GAN
「俺、これから野球部見に行くけどお前も――‥って行くわけないか」
誘ってきたかと思うと、すぐさま自分で否定したかっちゃんは、ちょっと呆れた表情を魅せる。
俺は何も言ってないんだけど。
「どうせ“バスケ”見に行くんだろ?」
「さすが親友、俺のこと分かってるね」
俺がそう言うと、「当たり前だボケ」と頭を叩いてきた。
「いや、叩く意味が―‥」
「知るかよ、お前みたいなバスケ馬鹿はそうはいないからな!」
だからって叩く意味が謎なんだけど。
俺は意外と痛みを引きずる頭部を撫でる。
バスケ馬鹿か、もう言われ慣れた言葉だ。
別にそう言われるのは嫌じゃないし、むしろ嬉しいぐらい。