LAN×GAN


だってそれは俺がバスケと一番近くにいる証拠だから。


「じゃあ俺行くわ。陽、やるんだったら本気でやれよ。I・H(インターハイ)行くんだったらなおらさ」


「うん、分かってるよ」


大丈夫だ、分かってる。
誓ったから、走り続けるって。


かっちゃんは俺の返事を聞くと「よし!」と一言口にして笑顔を向ける。


「んじゃ頑張れよ」


「おうよ!」


そのままかっちゃんは俺に一回手を振ってから教室を去っていった。


本当にいい奴だ、泣けてくるほどに。


「もう甘えてられない」


かっちゃんの優しさは異常なんだ。
その優しさにすがってちゃ俺は変われない。


何かに掴まって歩く一歩と、自立して歩く一歩は違う。
達成感も経験値も何もかも。



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